こじれるコンプレックス

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こじれるコンプレックス

ラジオを中心に好きなことを自由に書いているブログ

マルチ商法で色んなことを犠牲にしてまで望むことは、本当に望んでいることなのか。

マルチ商法に勧誘されたことがあるだろうか。
 
私はあった。
 
きっかけは、当時の同僚にパーティーに誘われたことである。
お洒落な街にあるカフェを貸し切った、特に何の変哲もないパーティー。
 
セミナーに行って気付くんだけど、このパーティーに参加していた人の6~7割はその同僚を含め、そのマルチ商法に関わっている人たちだった。
 
そこから1ヶ月、週末は毎週のように同僚に誘われ、遊んでいた。
普通の飲み会だったり、「お金のことを勉強する」ゲーム会だったり。
 
いわゆる「金持ち父さん」の本も同僚に薦められて読んだ。
平日の夜には、同僚が私に会わせたいという「すごい人」とも話をした。
 
この間、私と会った人はみんな、ビジネスの詳細を口に出さなかった。
ただ、みんな妙に目がキラキラしていて前向きなことと、「すごい人」たちに対する尊敬の念がひしひし伝わってくることは印象的だった。
 
そうしている内、私は「すごい人」に「その事業を教えて欲しい」と口にしていた。
 
そこからネットワークビジネスをやっていること、商品を取り扱っている会社、今後1ヶ月のセミナーの予定まで説明された。
実際、その週末はセミナーに行った。
その瞬間は、やる方向に気持ちが傾きかけた。
 
だけど、月曜日になった瞬間、怖くなって思いとどまった。
電話で30分以上、「すごい人」には「セミナーに3ヶ月参加してから決めても遅くない」「僕だったら、自分でやると言っておいて、自分で逃げるなんてできない」など、感情に訴えかけてくるような説得をされた。
 
ただ、結局は丁重にお断りした。
 
手を出さなかった理由は、違和感を覚えたことに尽きる。
その違和感を分解すると、3つに分けられる。
 

1.誰にも言わないという約束

友達はおろか、親にすら言ってはいけないと言われたことが引っかかった。
そのビジネスを誇りに思うなら、言った方がいいはずなのに。
 
誰にも言えないって、やましいことをしているという認識があるのではないか。
 
そして、誰にも言えない金を使って、突然親にプレゼントしたら、親はどんな気持ちなのだろうかとも思った。
 
高級外車を親にプレゼントしたことを美談として語っている人がいた。
ただ、親の立場にしたら、突然「今までの恩返し」として無駄に高い車を渡されたら、きっと困惑する。
絶対お金の出処が気になるし、仮に聞いても曖昧な受け答えしかできない子に、不信感を抱くと思う。
 

2.自分の売上の一部は友達に行くこと

マルチ商法特有のピラミッド構造の仕組みは頭では理解できた。
ただ、何となくモヤモヤする。
 
モヤモヤの正体は、自分が頑張れば頑張るほど、同僚にお金が行くという事実。
もしかして、「成長できるから」「楽しいから」とか言ってその気にさせてくるのは、結局は私の頑張りがお金になると見込んでいるからではないのか。
 
それが、何となく嫌だった。
 
別に、アイドルみたく同僚に惚れ込んでた訳でもないし、経済的に応援したい訳じゃない。
ましてや、同僚は成功に対する野心をむき出しにしているから、私はその成功のための手段として使われるのではないか、と警戒した。
 

3.「すごい人」たちが手に入れたもの≠私が欲しいもの

「すごい人」と話をする過程で、私は願望がだんだん大きくなっていった。
タワーマンション、高級な車、いつでもハワイに行ける自由な金と時間…。
そしてそのマルチ商法をやっている人たちの間でも、それらを手に入れることが成功だという共通認識があった。
 
でも、全部よく考えたら、本当に必要なものだろうか。
 
結論から言えば、必要がないし、欲しいとも思っていない。
家は、都内に通うのに便利で、適度な広さの1Kであれば十分。
車は、運転が好きじゃないし電車で移動できるので特にいらない。
そして、自由な金と時間を仮に持っても、私はハワイには行かない。
 
結局、色々覚えた違和感を通して、私はマルチ商法のビジネスオーナーとして成功したい訳じゃない、ということがハッキリした。
 
周りから見て分かりやすい成功を手に入れるチャンスは捨てたかもしれない。
ただ、今までの人間関係や貴重なお金と時間を犠牲にするリスクを覚悟の上でマルチ商法のセミナーなり勧誘活動に時間を使うなら、もっと別のことをしていたい。
そう思えたのだった。
 
私が断ってからその同僚とは連絡をとっていない。
今も勤しんでいるのかは確認する気もない。
 
同僚だった子の数年後が一体どうなっているのかは知らない。
もしかしたら、マルチ商法の人たちが言う成功を手に入れているのかもしれない。
 
でも、私は自分がマルチ商法に手を出さなかったことを後悔しない。
自分で決めたことだから。
 
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