こじれるコンプレックス

読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

こじれるコンプレックス

ラジオを中心に好きなことを自由に書いているブログ

【演劇感想】『永遠の空~知覧特攻早春賦~』/平和のために必要なこととは

7月2日に、演劇『永遠(くおん)の空~知覧特攻早春賦』を観に、新宿村LIVEへ行ってきた。

 

あらすじ

第2次世界対戦中の1945年3月、米軍が沖縄への上陸作戦を開始し、対抗するため日本は特攻作戦を実施、地上戦が始まった。
鹿児島知覧飛行場で沖縄への出撃を待つ特攻部隊の隊員は、日本の勝利のために特攻で命を落とすことが誇りになると信じていた。
しかし、出撃前の数日間に女子挺身隊の女学生たちと語らいを持つ中で、生きる意味を考えだし、命を落とすことへのためらい、怖れ、孤独感を覚えていく。
 

感想

戦時中を知る白石奈緒美さん(特別出演で、本編には出演せず)が本編の開始前、そして終演後、自身の体験に基づく話をされていた。
実際に戦争を経験された方の話から、いかに当時が壮絶だったかを想像しながら舞台に入ることができた。
 
演劇中、特にフォーカスされていた朝倉少尉と香奈子の別れを始め、朝倉少尉の部下たちも各々人との出会いを通して、別れを惜しみ、次第に生きることへの未練を露わにしていく。
その悲しさを抱えながら、笑顔で出撃のために沖縄へと向かっていく様子が、かえって辛さを引き立たせていた。
香奈子を演じた桔川結有さんの演技には本当に引きこまれた。
「戦争さえなければ、朝倉さんと引き裂かれることはなかった。でも、日本のため……」という複雑過ぎる感情を、全身で表現していたような気がする。
 

特攻作戦における主要拠点・知覧

舞台となった鹿児島の知覧町(現・南九州市)。
特攻作戦における主要な基地として知られ、全特攻戦死者1036名中439名が知覧基地から出撃しているという。
知覧特攻平和会館のホームページに載っている資料も、当時を知る上でとても参考になる。
しかし、ぜひとも直接足を運びたくなった。
遺品や遺影などを直接自分の目で見ることで、また感じることも変わってくると思う。
 

平和を守り続けていくために必要なこと

戦後70年が過ぎ、当時を知るご存命の方がだんだんいなくなってしまった。
先日亡くなられた永六輔さんも、反戦に対して強く言葉を発信していた方である。
いよいよ戦争を知らない国民だけになった時、日本はどこに向かっていくのだろうか。
 
先日の参院選の結果、衆参ともに憲法改正に対して前向きな党が3分の2を占めた。
憲法改正の最初の手続きにあたる「国会の発議」ができることになる。
 
そのため、今まで固持してきた日本国憲法が変わる可能性にも、私たちは本気で向き合わなければいけない。
特に衆参で過半数の議席を持った自民党は「戦争の放棄」を定めた9条の改正に意欲的とされる。
このことに対して、平和が脅かされるのではないか、という懸念もある。
 
実際に発議が行われても、最終的には国民投票の結果によって決まる。
憲法改正の是非について、一人ひとりが意思を持って決めていく必要がある。
 

フィクションの話から現実を考える

あくまでもフィクションの作品ではあるが、現実の出来事に置き換えて考える、とてもいい機会になった。
追っかけの役者さんと直接触れ合うことも魅力的かもしれないが、「もし、この話が現実に起こったら……」と考えながら観ることも、演劇の醍醐味なんだと思う。
とにかく、本当に観て良かった舞台だった。