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ラジオを中心に好きなことを自由に書いているブログ

【読書感想】みうらじゅん著「『ない仕事』の作り方」

読書
私にとって、みうらじゅんさんはいわゆる「色々やってるけどよく分からない人」という類の人。
ただ、力の抜けた感じとか、「なんでそこを深く掘るんだろう」というところが何となく好き。
そこで、みうらじゅんさんはどんな仕事の取り組み方をしているのか気になって、この本を読んだ。
しかし、やっていることは実に堅実で、努力していないように見えるのに本当に努力している……と思わされた。
 
「ない仕事」の作り方

「ない仕事」の作り方

 

 

この本では、みうらじゅんさんが作った「仏像ブーム」や「ゆるキャラブーム」を例に、全く注目されない事柄をブームにする過程での取り組み方を披露している。
 
ブームを作る仕事術として、大きく3つに分けて説明されている。
それぞれで私がいいと思った点を中心に挙げてみる。
 

1.発見する

みうらじゅんさんは、インターネットで「出てこない言葉」を検索して、ネーミングがまだ誰も手を出していないかを確認するという。
確かに、先駆者がいるところに手を出しても、後追いになるのは目に見えている。
そのための指標として、ネットでの検索は効果がありそう。
 
また、「フィギュ和」のように元々あるもの同士を組み合わせて考えてみることも述べられている。
どちらも、単体だとすでにコアなファンがいるが、組み合わせてみると新しい価値が発見できるケースがある。
この視点で考えると、アイデアを出す訓練になるのかも。
 

2.名前をつける

「造語が普及するポイントはマイナスから入っているかどうかが大きい」と、みうらじゅんさんは言う。
実際、「ゆるキャラ」も「ゆるい」がマイナスの意味で捉えられた言葉であることに由来する。
 
また、重い言葉をポップに見せる手っ取り早い方法として、「ブーム」「プレイ」をつけるということが、私にとっては新しい発見だった。
気持ちを明るく持つためにも、簡単にできる取り組みかと思う。
例えば、「筋肉痛ブーム」「多忙プレイ」……。なんか妙にくすりとくる。
 

3.広める

みうらじゅんさんは、色物映画で見た海女が脳裏に焼き付いて以来、海女がいいと呪文のように唱え続け、折に触れて言及していたと言う。
元々「気になるが好きにはなれない」ものだったらしいが、自分を洗脳して海女グッズを収集したという執念たるや、すさまじい。
 
また、編集者に気に入られるための接待は不可欠であることも述べている。
「同じ仕事のスキルを持っている人が二人いたら、『接待力』のある人のほうが断然有利」と断言するほど。
それだけに、書かれているテクニックにも本当に細やかな心配りが出ている。
この気の利かせ方をサラリーマンの立場でも活かせるようにしたい。
 

気づかなかった価値を見つける過ごし方をしたい

今はSNSで個人が情報を発信できるので、この「ない仕事」を作るための競争はますます激化している気がする。
実際、狭い部分に目を向けて価値を見出し、伝える仕事をしている人はもうたくさんいる。
 
でも、もしかしたら、自分が興味がなかったところに、はまる何かがあるかも。
夢中になっている内に、気がついたら狭い部分の価値を見つけていた、なんてことがあるかもしれない。
その「なかった価値」を見つけ出す楽しみを持ちながら普段を過ごそうと決めるきっかけになる一冊だった。
「ない仕事」の作り方

「ない仕事」の作り方